2012.08.06 Monday
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宮古の風便りある宮古島移住者の視点から
2006.05.31 Wednesday
即席のハーブティー ; クミスクチン茶
わがパラダイス・ファームが誇る女性軍団、人呼んで、と言ってもぼくが勝手につけたのだが 「ファームのアマゾネス軍団」 ( 埃をかぶったようなネーミングである、もちろん隊長はトミ・アンガ、アンガとはお姉さんの意。70歳、隊員は他にチヨさんとミヨさん、 三人のお歳は計200歳を超える )の隊員のチヨさんが、即席でハーブティーをつくってくれた。 園内の「薬草・ハーブ園」の手入れをしていたチヨさんが、10時の休憩タイムに即席でつくってくれたのだ。 伸びすぎた枝を剪定して、園路を通りやすくしてくれた。 多くの剪定カスが出たのだ。 剪定カスの葉っぱを数枚カップに入れて、ポットのお湯を掛けただけ。 取れたてのハーブティーなのだ。 すこし冷(さ)ましてすすった。にがーい。でもうまーい。 のだ。 入れてくれたのは、クミスクチンの葉っぱ。 独特の香りをもつハーブだ。 クミスクチン。変わった名前である。調べるとマレー語で「猫のヒゲ;KumisKuching」の意で、 長いオシベが猫のヒゲに似ているところからその名がついた、とある。 ふーん。 クミスクチンはシソ科の多年草で、ウコン・グァバと並んで沖縄三大薬草のひとつ。 沖縄では昔からクミスクチンの葉や茎を薬草として、お茶がわりに飲んでいたという。 ドイツでは腎臓の薬として、オランダやフランス、スイスでは利尿薬として扱われていると言う。 クミスクチンに含まれるポリフェノールの一種であるロズマリン酸が、ニキビや皮脂テカを改善するとして、 いま注目されているようだ。 その伝統のあるクミスクチン茶をすすりながら、こんな薬のようなお茶を毎日飲んでいた沖縄のオジイやオバアは元気な筈だなあ、と感じ入った。 にがいがうまい、変な形容だがそんなお茶なのである。 2006.05.30 Tuesday
雨の日におもうこと
どんよりと重い大気に覆われて、きょうも雨が降っている。 雨は、植物にとって「恵みの雨」だし、彼らにとっては「ハレの日」なのだ。 「ハレ」と「ケ」ということばがある。 日々の「ケ」のなかに「ハレ」がある。 植物の場合、それが反転しているのか。 でも、長雨が続くと、植物にも弊害がでてくるのだ。 すべて、「いいかげん」がいいのだろう。 植物にとっていい日なら、ひとにとってもいいに違いないのだが、ひとはどうも雨より晴れてるほうがいいようだ。 しかし、その晴れも続くと、「暑いねー・暑いねー」 となる。 ひとはそんなものなのかなぁ・・・と、曇った空を見上げてみる。 そういうぼくも、雨の日がつづくと、いいね・いいねとばかりには思えなくなってくる。 そんなものなのだ・・・。 受け入れて生きているつもりでも。 雨の日が続くと、洗濯物が乾きにくいし、外で作業をするのに カッパをつけて蒸せて不快である、という状態になる。 でも、草を引くには最適の日だし、体が濡れて不快になるという点も、 視点・観点をかえてみると、いや頭の切り替えではなくこころのありようをチェックしてみると、 また雨の日の感じもかわってくる。 雨の日の「重さ」には、晴れの日には無い魅力がある、のにも気付く。 本がよく読めるのは、ぼくにとっては雨の日だ。 晴れた日のスラブヤー(コンクリート造の平屋)では、夜は外のほうが涼しくて、とても寝れる状況ではない。 『日々好日』は、やはりこころが決めている。 すべてはやはりこころが決めている。 こころのありようをチェックするのにも、雨の日は最適のようだ。 外の雨音を聞きながら、そんなことをおもっている。 2006.05.29 Monday
畑から聞こえる呻(うめ)き声
早朝の葉タバコの畑である。 上野の風車の近くでのスナップ。 1本1本、成長を抑えるためにまず頭部・花がもぎ取られる。 つぎに下の葉っぱからもぎ取られ、最後は上葉をもぎ取られて茎だけが残る。 それでも、生きてるぞー、と叫ぶように頭部に花を咲かそうと頑張る。 あまりにも残酷といえばこれ以上の残酷さはないだろうな、とおもう。 人間に置き換えたらどうだろう。生きたまま、手足を順番にもぎ取られていくのだ。 よ。 収穫をむかえて、いま葉タバコ農家は忙しい。 離島の生産性の低い農業にとって、換金性の高い葉タバコは魅力なのだろう。 多くの葉タバコの畑が宮古にはある。 葉タバコの畑で去年働いた経験からだけど、葉タバコの畑には独特の「波動」があるようにおもう。 カリカリとした、とでも形容できようかとても優しい「波動」ではないのだ。 かりに、長年スイカを作っている農家があるとする。 長年カボチャを作っている農家があるとする。 そうした人と比べると長年葉タバコを作っている農家は、歴然と違っているとおもうのだ。 生き物である農作物は、農家がずっと向き合わないと上等な作物はできない。 つまり、向き合う作物との「交わり」がなければ作物は作れないのだ。 畑が一番欲しがっているのは、農家のひとの足音だと言われるくらい、 頻繁に畑に足を運ばなければ、いい作物は出来ないように。 葉タバコを長年作り続けている農家には、大変失礼な言い方だけど、 ひととしての「深い優しさ」に欠けているようにおもえるてならないのだ。 作物を作るのに、その葉っぱ欲しさに「痛め続ける関係」をもたざるを得ない農家にどうして優しさが、愛おしさが生まれるだろう。 複雑なおもいを抱いて葉タバコの畑の横を通りつつおもうのだ。 1本1本の全身創痍の茎たちが、天を仰いで唸(うな)っている。うめいている。 ムンクの 『叫び』 の絵のように。 2006.05.28 Sunday
空港の忘れ物
きょうもいつも通りの宮古空港の管理の仕事。 朝から激しい雨、だから潅水作業は軒の下等の雨の当らない個所を重点にした。 ふと見ると柱の元に紙袋が置いてあり、そのなかにリュックサックが入っているではないか。 もしや不信物では、とおもい顔見知りの空港のおまわりさんに知らせた。 おまわりさんは黙って聞いてくれたが、その後もそのバッグはそのままに置かれたままだった。 どうもおまわりさんは事前にバッグのことを知っていたもようだ。 だから事前になかの物もチェックしていたのだろう。 ふつうなら、派出所に保管するのだろうが、初老の彼はそうはしなかった。 別に強烈な匂いのドリアンが入っていたからそうしたのでもなさそうだ。 忘れたひとが気づきやすくそうしたのかもしれない。 たぶん、そうなのだろう。 バッグを覗き込んでいるようなひともいなかった。 空港の作業が終るまで置かれたままになっていた。 それにしても、実に宮古的な処置ではないか。 そとは土砂降りの雨である。 2006.05.27 Saturday
サポジラ
お気に入りの 「トロピカル・フルーツ・パーク」 の遊歩道を軽四で走っていると、めずらしい実をつけた一本の木を見つけた。 樹名板に「サポジラ」とある。早速調べてみた。 サポジラ。メキシコやガテマラといった中南米の原産で、樹高15mにもなるアカテツ科の木とある。 熱帯果樹としても有用だが、チューインガムの原料である〔チクル〕という樹液を採取する木とある。 この〔チクル〕なるもの、ゴムと樹脂の中間的な性質をもち、ゴム質、樹脂質と少量の無機質からなっていて、 これらの成分がバランスよく配合された時、ガムとして噛み心地の良いものとなる、とロッテのインターネットの資料にある。 ふーん。 そのガムの原料が 「トロピカル・フルーツ・パーク」 に植えてあるとは、まったく知らなかった。 それも卵状のカタチの美しい実をいっぱい着けているのだ。 通常は、完熟前に収穫して、後熟させて食べるらしい。 食味は、少しザラザラ感があり、黒砂糖のようにあまく、味は「熟し柿」に似ているという。食べてみよう。 このような果樹木を遊歩道の周りに植え込んで、来訪者を待ち受けている筈の公園が、いまは荒れている。 貴重な社会資本であるこの種の公園が、宮古島には他にもあるようだ。 そうした無責任な放置ではなく、有意義に活用する方法を全島的視点で考えなければならないのではないか、そんな気がしてならない。 2006.05.26 Friday
川崎さんの送別会
「みやこパラダイス」の蝶の飼育に携わってきた川崎晶代さん(22歳)が、今月で退社することになった。 その送別会が「さんご家」で開かれた。 川崎さんは人気者だ。 使い込んだハットにオレンジ色のユニフォーム、白い長靴を履き片手に採蝶用の網をもって、 ペコタンペコタンと歩いている姿がもう見れないのだ。 田舎の「風」をもっているいまでは希少種の女性だ。 高校を卒業して宮古島に蝶々園のあることを知った彼女は手紙を書いた。 それが、「みやこパラダイス」との縁に繋がり、それから蝶の飼育に励んだのだ。 出身地の宮崎に帰り、好きな音楽に携わるという。いいことだ。 「さんご家」で開かれた送別会は、連絡周知が遅れたわりには多くの仲間が彼女との別れを惜しんだ。 膝が抜けたジーパンにかっこいいモミアゲの正坊、小指をあげて独特の大きなボディランゲッジの厨房の砂川さん、 孫悟空のハッカイのような下地さん、ゲジゲジ眉毛のぼやきの宮国さん(幹事)、 それに万障繰り合わせて駆けつけてくれた西里会長さん、さまざまな顔があった。 みないい顔だ。 西里会長の送別のスピーチを聞き入っていた川崎さん。小さく震えているようにおもったのは気のせいか。 彼女の別れのことばを横でウルルン状態で聞いていた根間さん。きれいな涙だった。 若い世代のなかに場違いのように加わったぼくは、この会社の持っているソコヂカラ、潜在パワーのようなものをひしひしと感じていた。 若者のパワーに押し出されるように会場を中座した。もう酒量も限界であったし、あとは若者たちの世界を、そうおもいつつタクシーに倒れ込んだ。 薄れていく意識のなかで、舟木一夫が歌った『仲間たち』のフレーズが流れていた。 フルイはなしである。 ムニャ・ムニャ・ムニャ・・・。 2006.05.25 Thursday
雨のテラピヤの池
凄いスコールだった。 まだ朝の9時前だというのに、どんよりした重い大気が雨を勢いよく大地に叩きつける。 決して「降る」という状態ではない。叩きつける、という言い方があっている。 宮古が梅雨入り宣言してから久しいが、これといった雨は降っていなかった。 パリ(はたけ)のキビは降水不足で葉が黄色に変色してきていると新聞にはあった。 それが、今朝はこの雨なのだ。 どんなに植物が喜んだことだろう。 この池は、トロピカル・ガーデンのなかにある。 かつて蝶々園だった広大な園地も台風14号で屋根部を吹き飛ばされて、いまは天上が開いた状態である。 隣の「薬草・ハーブ園」に接する形で縮小された蝶々園。 そしていまは天上が無くなったぶんだけ、植物たちも自然児状態で、伸び伸びと成長・成育しているようだ。 そのトロピカル・ガーデンのなかに上の池がある。テラピアが泳いでいる。 テラピアは、食用に移入された外来種の魚。 フィリピンなどでは唐揚げで食されているようだ。 その池も水草が繁茂しすぎて、泳いでいるテラピアが見えないぐらいだったので、数日前に水草を撤去した。 正坊こと下地正明氏がパンツいっちょうで水中に入り掻き揚げたのだ。 水草がなくなってテラピアは見えるが、濁りは以前より増したようだ。 水草が水質の浄化をしていてくれたのが、取り除いてしまってよくわかる。 適量の水草は必要なことがわかった。 水草のなくなった池のミズモに無数の円を描いて、雨が射るようにミズモに刺さっていく。 このスコールは昼前にはあがり、青い空が顔を出した。 宮古の天気は変わりやすいのだ。 雨後の照りは、いつも以上に激しい。これが宮古なのだろう。 2006.05.24 Wednesday
airBE-PAL のメルマガから
airBE-PAL のメルマガが届いた。 それは、パラダイスグループの「パラダイスプラン」が石垣島で展開している塩専門のお店のことだった。 嬉しかった。 それで少し長いのだが、無断で記事を転載した。関係者にはお詫びいたします。 日本初? 沖縄の塩だけ集めた専門店が石垣島に いま、全国的に塩がブームです。 デパートの地下食品売場や高級スーパーに行くと、ゲラントの塩をはじめとするフランス産の塩や ドイツの岩塩、モンゴルの塩といった輸入ものはもちろん、国産の塩が並んでいます。 また、昨今流行りの取り寄せカタログを見ても、それこそいろいろな製法で作られた 国内外産の塩が紹介されています。 しかし、東京でもまず見かけたことがない塩専門店が石垣島にありました。 沖縄県産の塩だけを扱っている『塩屋』(まーすやー)です。 塩専門店は日本初かもしれません。 この店が扱う塩の数は、約70種類。 12畳ほどの店内には、与那国島、石垣島、宮古島、粟国島、屋我地島、久米島、南大東島、沖縄本島 という具合に産地別に塩が並べてあります。 沖縄産の塩がはじめて脚光を浴びたのは6年ほど前のことです。 『粟国の塩』(あぐにのしお)が火付け役となり、その後、いろいろな塩が作られるようになりました。 現在、沖縄県には、20社ほどの塩メーカーがあり、およそ100種類の塩が作られています。 塩屋には、女性3人の塩アドバザーがいて、42種類の塩を試食することもできます。 試食用の塩は、「甘い」「やや甘い」「普通」「やや辛い」「辛い」というように5段階に分類されていて、 好みの塩を無料で試食させてもらえます。 天日干しの塩、揚げ浜、焼き塩など、いったいどう味が違うのか、 ひとつひとつ確かめるだけでもけっこう楽しめます。 今年3月の人気ランキングによれば、 1位は宮古島産の「雪塩」(ミネラル分が豊富。料理以外にも洗顔後のマッサージにもおすすめ)、 2位は石垣島産の「石垣の塩」(石垣の海水で作られた塩)、3位は与那国島産の「花塩」(粒が大きく、食感も楽しめる塩)でした。 人気のある塩を買うもよし、自分の好みの塩を探すのもまた楽しいものです。 なかなか石垣まで買いに行けない人のために、 『世界のお塩.com』というHPで通販も可能です。 好みの塩を詰め合わせてもらうこともできます。 美しい沖縄の海水で作った塩をぜひ食卓で使ってみてください。 (ライター/中島 茂信) ------------------------------------------------------ ◇◆『塩屋』DATA◇◆ 住所/沖縄県石垣市大川270-2 TEL&FAX/0980-82-7835 URL/http://www.sekaino-osio.com/index.jsp 2006.05.23 Tuesday
宮古の空の下で
宮古空港のターミナルビルの3階から写した。上野方面の遠望である。 同時に携帯で写した写真なのだが、このようになったしまった。 宮古には山が無い、そのことが少し目線を揚げるだけでよくわかる。 そして眼下にはコントラストの強い風景画がある。 どこを見ても宮古はいい、好きになるのに理屈はいらない。いいのだから。 この眼下に広がる風景のなかにさまざまなひとびとの「生活の営み」があるのだ。自然とともに生きている素朴な営みが。 宮古空港ターミナルビルはサシバをデザインしたと以前聞いた。 しかし、どこがサシバのデザインなのかわからなかった。 サシバは、毎年宮古に飛来する鷹のような渡り鳥だ。 その飛来する様子は昨年観察できた。 サシバが連なって飛んでいるさまを右の写真の屋根のつらなりにみえる。 このようにデザインしているのだと感じた。 この屋根のつらなりの下に空港を飛び去るひと、宮古に来たひと、さまざまな想いの交差する場があるのだ。 目をあげれば、大好きな宮古の空が広がっている。 あおい、あおい空である。 2006.05.22 Monday
「みやこパラダイス」 修景計画 其の2
では、どのように改築していっているか、正面のゲートの例をあげたい。 まだまだ、改築の途中なのだが。 「トロピカル・フルーツ・パーク」 は、旧上野村いまは合併したので宮古島市が管理運営主体である。 広大な散策路をもつ公園である。主には芝生広場が使われているが、 散策路周辺は管理不十分で、いわば「宝の持ち腐れ」状態である。 その導入部にあるのが写真のゲートである。 管理主体が宮古島市であるので、このゲートも市のものというわけである。 それで 「トロピカル・フルーツ・パーク」 内にある 「みやこパラダイス」 は、 市の許可を得て、修景して見栄えを良くしていこうと、写真(左)のように手を加えていっている。 ブログ上でお披露目するには、まだまだ途中なので、気が引けるのだが。 きのう触れたコンクリート柱から受けたインスピレーションは、 ゲート周辺の創り込みの事例としたら写真のようになった。 木製の電柱が、何本も欲しいのだがいまは入手がとても困難で苦慮している。 沖縄電力にも行ってお願いをしたが、無理であった。 それで 「トロピカル・フルーツ・パーク」 内の立ち枯れしたモクマオウをこれから倒木し、 修景の素材を用意しようとおもっている。 最終的には、来月の末にならないとカタチが出来上がってこないが、 随時その経過を載せていければとおもっている。 |
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